山口未桜『白魔の檻』

4.0
Book

山口未桜
白魔の檻
(東京創元社)

山口未桜さんの医療ミステリー第二弾。

前作の設定も衝撃でしたが、今作も「それは犯人にとっても想定外の事態では?」という、犯人さえ逃げ場がない閉鎖された空間と迫るタイムリミットという緊迫した状況下で話が進み、「いやいや、これ、どうすんの。犯人探ししてる場合じゃないのでは?」という、読んでるこっちも緊張する展開。

城崎響介シリーズの第二弾。

今回の設定が〝事件が発生した医療機関〟が災害現場となり、〝災害医療〟という切迫した状況下で話が進むのですが、その描写は著者御自身が現役の医者でもあり、かなりの緊張感を持った展開が待っています。

一般的に犯人は自分が捕まらないよう、そして逃げ切るよう綿密に計画を立てようとしますが、そこに災害が発生して閉じ込められてしまった場合、これはもう犯人ですら計画に全く無かった想定外の事態だと思うわけです。

そして、その災害で取り残されたのが病院であり、様々な患者が入院している。
有毒ガスまで発生して、病院内に充満するまでのタイムリミットが始まる。

犯人探しをしている場合か。
この災害時に病院内で発生するトラブルに医療現場として対応が迫られる。
そして舞台は北海道の山奥、過疎地医療の問題が引き起こす人間模様。

たとえ事件は解決したとしても、災害医療や過疎地医療の問題は決してフィクションではなく、身近に発生してしまう可能性を秘めている話で、改めて他人事ではない話だよなぁ、と。

前作もそうですが、シリーズ通しての主人公は城崎響介ですが、物語の進行という意味では城崎響介の相棒からの視点になるので、前作を読んでいなくても特に問題なく読む事が出来ると思います。
相棒は毎回と変わるような感じのようですが、相棒視点なので、この城崎響介という人物像が謎めいています。何か色々と過去にありそうなのですが、そんな城崎響介の過去もシリーズを通して明るみになってくるのでしょうか。

P.S.
ラムネは気にしないで下さい。。。

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