SNSで〝#私を構成する9つのモジュール〟というタグで、俺様最高モジュラーシンセのモジュール紹介(意訳)というのを見かけて、「モジュラーおじさん的にはマルチプル9基、これ一択」という身も蓋も無い画像をアップしてしまったのですが、ちょっと真面目に選んでみました。

そういえば『るろうに剣心』のネタから、随分前に「モジュラーおじさんのモジュール十本刀」というのはやった記憶があるんですが、どんなモジュールを選んだのかも忘れてしまいましたし、その頃のSNSの投稿はアカウントは全削除しているので、まあ、闇に葬ってやったという事にしておきましょう。
たぶん、今回の9基より、もう少し新しめのモジュールを多く選んでいたような記憶があります。
さて、〝#私を構成する9つのモジュール〟ですが。
昔に持っていたモジュールとかは、記憶が曖昧で色々と忘れているし大半がdiscontinuedなんですが、ユーロラックを買い始めた2001年からの2,3年ぐらい、ライブをするようになった2008年から2,3年ぐらいの影響が大きいのかな、と思う次第です。
Doepfer A-111-1 High End VCO

2001年、初めて購入したモジュール記念にして、底なし沼の始まり(違)
最初に、このA-111-1を2基だけ購入して、電源ケースも買わずに、モジュールを机の上に転がして眺めたり、手に取ってツマミをグリグリ動かして妄想したりという変態な期間が2ヶ月ほどあって、「これは始めるしかないか」と電源ケースと最低限のモジュールを揃えたんですよね。
ライブで数回ぐらい使用しましたが、音的にはA-110の方が好きだったのと、なによりも横幅がデカいので直ぐにライブでの出番は無くなりましたね。
表記には〝A-111-1〟(CEM3340仕様)とあるけど、元々のオリジナルは〝A-111〟だけの表記でした。
Doepfer A-119 External Input / Envelope Follower

ライブをやり始めた2007年から2008年は、まだ日本国内で買えるモジュールのブランドも2,3社程度で種類も少なく、今のようなサンプラー系モジュールは、ほぼありませんでした。そんな中、モジュラーだけでモジュラー以外の音を使えないかと、スマホから生放送中のラジオ音声を突っ込んでライブする方法を思いついて、それをシーケンサーやらなんやらでフレーズにしたりリズミックにしたりしていました。
最初はラジオだとバレないように、短く音を切って、エンべローブとVCAとかで時折、音の余韻を長めにして〝音声〟として認識させたり。
個人的にはFM局よりAM局の方が相性が良くて、一番カッコよく使えたのは放送大学とか教育系でした。堅苦しい喋り方がパーカッションのように使うには最適だったな(笑)
自分のライブの出番中の生放送を使うので、何が起こるかわからない中、突然ドリカムが流れたのは、今も恥ずかしい黒歴史となっています。
Doepfer A-127 VC Triple Resonance Filter

各3つのVCF CVにシーケンサーからのCVを繋いだ状態で自己発振セッティングすると、所謂〝ping〟サウンドが3音出力出来て(別にどれか1つでも良いんですけど)、その3つの出音自体も微妙に違いがあって、この出音に空間系エフェクト掛けて聴いているだけで、白飯3杯はいけるというか、ずっと聴いてられるんですよ、とにかく気持ちが良い。
ライブやり始めた最初の頃はよく使ってました。ですが、当時は84HPx2段のラックで更に旧タイプで、電源モジュールが8HP最初から埋まっている仕様で、この28HPのA-127と、シーケンサーのA-155だけで、ほぼ1段が埋まってしまう厳しい状況でなんとかやってましたねえ。
後に〝ping〟サウンドを奏でるフィルターを他にも手にする事になるんですが(HIKARI INSTRUMENTS Ping FilterとRandom*Source Serge Variable Resonance filter)、その原点がこのモジュールでした。
Doepfer A-131 EXP. VCA

たかがVCA、されどVCA。
今時、単体VCAモジュールを使用する方も少ないのかな、と思ったりするのですが。
当初はシンセ機能の基本モジュールとして購入したわけですが、ライブをするようになってVCAの重要性に気付いたというか。これがないと、この少ない限られたモジュールの数と種類という、当時のセットではライブの展開が作れない、というぐらいのポジションになりました。これは今も全く変わらずで、最重要モジュールとして使っています。
その1音の表情や使い方をシームレスに変えていける発見でした。ドローン系の音やフレーズとパーカッシブな音やフレーズを、VCAを使えば同じ音色の1音だけでどちらも表現出来るし、その間を自由にシームレスで変化もさせられる。
そして何より、音が出る事より、音が消える無音という空間の大切さがVCAにはあると思ってるんです。
私が使っていたのは初期バージョンだったと思います。
Doepfer A-140 ADSR Envelope Generator

エンベローブってオシレーターだし変態なんだと知った時の衝撃。
初めてA-140を使った時、アタックの時にパツンパツンとクリック音のような響きが入って、「なんだコレ」と。普通のシンセっぽく使うにはアタックを上げて遅くする必要があって、それでやっと普通のシンセのアタックがゼロの雰囲気になる。
それぐらい効きの強い、鋭いエンベローブだったように思うんですけども、ライブではオシレーターにピッチエンペローブした時がエグかった。サイン波にピッチエンペローブして、そこからの出音をローバスに通して調整していくと、もうTR-808キックと真っ向勝負出来る存在感。更にローバスでフリケンシー絞っていくと、地響きですよ。
こんな掛かり方するエンベローブって、今まで他にあまり巡り会った事が無いんです。
電気屋が造ったエンベローブって感じが凄く良い。全く音楽的じゃない(笑)
以下、古い動画ですが幾つか。
Doepfer A-180-1 Multiples 1

おばあちゃんが言ってた「マルチプルを制する者はモジュラーシンセを制す」。
マルチプルを使う思考って、それまでの1パッケージ化されたシンセを使う時には無かった発想でしたね。
同じ信号をパラったり、信号をミックスするのも、それまでの感覚だとあくまでAudio信号のミックスという感覚だったのが、エンベローブとLFOを混ぜて、とかシーケンサーのCVとノイズを混ぜて、とか、もうなんでもあり。
特にモジュラーやり始めた頃は、モジュールの手持ち数も少ないし、種類も少ない。そんな中で、アイデアを考えて実行していくには、少ない信号から色々とやりくりする必要に迫られる中、このマルチプルの存在は大きかったですね。
今は1モジュール多機能時代なので、このようなマルチプルを使う機会も減ったとは思うのですが。
ちなみに全盛期でA-180を9基ほど所有してました。更にA-180-2もあって、全部で10基も。今でもA-180を5基のストックがあります。
そういえばこの画像、真ん中で上下に分かれている仕様ですが、元々のオリジナルは8口の1本でした。裏側の基板で真ん中の半田だったかな、外せば上下4口x2系統になるよ、という感じだったかと。


Analogue Systems RS-510E

今は大人の事情でEMSの表記が無いみたいですが。
某低周波健康器具のEMSと同じ意味のEMSがその昔、製造販売していたシンセに搭載されていた変態エンベローブですよね。
正しい使い方をした事は無く、もっぱらライブのマスタークロック的モジュールへのモジュレーション的に突っ込んで、無限暴走化させる最終兵器モジュールとしてよく使ってました。
なんかね、これ以上のクロック暴走しない限界だー、というタイミングでRS-510Eからの出力を突っ込んでやると、限界点突破するんですよ。もうライブセットの全てのモジュールが自己発振状態で狂ってしまうんです。
よくライブの最後にやってました。
Intellijel Designs Korgasmatron II

今回の9つで唯一、今も一軍先発隊として使用してます。
フィルターとしての完成度も高いですから、これを自己発振オシレーターとしても使えますし、VCAが足りない時はフリケンシーの動きで聴覚上は聞こえなくなる(可聴域以下の音は出っ放しですが)瞬間を作って、VCAの代わりも勤めつつアンサンブルの中で変化を付けれるので、とても重宝しています。
dual仕様なので、これ1つのクロスモジュレーションで強烈なノイズを生み出してライブ終了する、というスタイルはよくやっていました。1つ前のRS-510Eを使用した時の終わり方から受け継いだ感じのイメージでやってましたね。
以下、古い動画ですが幾つか。
Roland SYSTEM-100M

単体モジュールというわけではないのですが。。。
ユーロラック使い始めた頃、某楽器店によく遊びに行って、そこにあった100Mを毎回ノルマのようにパッチングして、けっこう勉強になったんですよね。
この5基モジュールのセットが2つ、3基モジュールのセットが1つ、これぐらい展示してあったのかな。非売品でしたけど自由に触れたので、よく遊んでいたんです。
確か172番のPhase Shifter/Audio Delay/Gate Delay/LFOモジュールもあったと思います。ただ、残念ながら182番のAnalog Sequencerモジュールは無かったんですけど、それがかえって良かったんです。
シーケンサーが無い中、LFOやS&Hやエンべローブ等で2,3トラックほどのフレーズとして聞かせられるようなパッチングを試行錯誤していたので、かなりユーロラックでライブする時の思考に役立ったんですよね。
ちなみに今はユーロラック版の復刻モデルとして本家RolandとBEHRINGERが100Mモジュールを出しているので購入可能です。
こんな感じですかね。
実際のライブを想定すると、もっと使い込んでいたり重要なモジュールが幾つもあるんですが、それらに辿り着くような原点的モジュールへ遡ると、こんな選択になるのかなぁ、という。
まあ、その時々という、時の流れの中で使うモジュールも移り行くと思いますので。
モジュラーシンセ関連は動画やサウンドも含めて、以下のカテゴリーにまとめてます。
ユーロラックモジュラーシンセの本格的なエミュレーションを無料で楽しめる、VCV Rackの記事は以下にまとめてます。
(幾つかパッチングファイルもダウンロードが出来ます)



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