高野和明
『13階段』(新装版)
(講談社文庫)
デビュー作にして、2001年の江戸川乱歩賞を選考委員の満場一致で受賞作。当時は凄く話題らしく新たに新装版の文庫が2025年11月に発売されていたので、ちょっと気になって買ってみました。

確かに、、、選考委員が文句なしの満場一致になるだけの、引き込まれるストーリー、読み進めていくうちにジワジワと「あれ、なんかオカシイ」と何かに気付くんですけど、それが明確にならないところから、急転直下の展開が待っていて、読み進めていく中で自分なりの結末の想像が出来上がっていく中での、その想像を壊してくれるオチも、読んでいて最後のページまで凄く面白かった。
2025年の最後に読み終わった作品が、この『13階段』になったのですが、今年の最初に読み終わったのが『檜垣澤家の炎上』で、これも凄く面白かったので、始まりと〆が今年トップ3に入るぐらい面白く楽しめた本となりました。
、、、と言いつつも、この『13階段』で、個人的に気になったというか残念に感じた事が1つだけありまして。
最後に全ての謎がイッキに畳み掛けるような急展開で進んでいくと思うのですが、この辺りが前半から中盤の重厚さみたいな雰囲気と比べると、少し軽い感じがしてしまって、、、もう少し急展開を抑えて文章量を増やして〝読ませて〟欲しかったなぁ、という。
裏を返せば、「もっと読んでいたかった」という気持ちで、最後がイッキに終わってしまって「読み終わってしまった、勿体無い」という気持ちにさせられたんですよね。
だからこそ、良い作品なのでしょうかね。
ミステリーは読んだ事が無いけど、っていう方にも全然OKだと思います。
お薦めです。
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