モジュラーシンセ大集合イベント「Modular Festival」終了の巻

すいません、だらだら長文です(笑)

5月の連戦ライブが終了しました。
ふー、乗り切った〜(笑)

そしてっ!!
いよいよ、5月26日。
たぶん、展示会(笑)とかじゃなくて、ちゃんとしたライブイベントとしては、少なくとも日本初か?
(笑)
モジュラーシンセ大集合による、出演者全員がモジュラーシンセを使ったライブ。

「Modular Festival」!!

今年の3月に心斎橋から阿波座へと移転した、新nu thingsさんでのイベント。
3月のオープニングパーティでもライブさせて頂いた場所です。

以前から何度か、nu thingsさんでモジュラー使ったライブをさせて頂いていたんですね。
阿波座に移ってからは、この空間を使って「モジュラー講座」みたいなイベント面白いかも、みたいな話がnu thingsの平野さんから出たりしていました。

そんな中、[yakan]さんがnu thingsでモジュラー使ったライブ出演が決まったんですね。

そこで、平野さんから爆弾発言が出てしまったわけです。

「モジュラーだけの人を集めて、モジュラーだけのライブ、やれないですかね」、と。

いやいやいや、ちょっと、それは(笑)

そんな企画、今まで聞いた事ないw
東京でも、チラホラとモジュラー使ってライブを、、、という話は見聞きした事はありますが、それは散発的なもの。
もちろん、ここ大阪でも同じ。

「出演してくれそうな人、誰がいますかね」、と。

うーん。
もちろん、[yakan]さんは、この時点で決定していた。

私の知ってる方々で、モジュラー所有してて、尚かつ、人前でモジュラー使ったライブパフォーマンス出来る方、、、となると。もちろん数名しか。

まずは、その方々には出演して頂きたいと思うので、お名前を平野さんにお伝えしました。

モジュラーシンセを所有している人は、それなりにいると思うんですね。
でも、それでライブをするとなると、やはり別問題なんだろうと思うんです。

リスクは大きいですからね(笑)
荷物が重い上に、ライブ中にトラブル確率も高い。

平野さんもtwitterやfacebookで参加者を呼びかけてみます、という事になった。

さてさて、確かにシンセ好きはもちろん、テクノやエレクトロニカなイベントでも、こんな出演者全員が「モジュラーシンセ」を使ったライブ。本当に初めてなんじゃないかと思う。

いったい、どんなお客さんが来てくれるのだろう。
某イベントのように、ただシンセマニアの欲求に答えるだけのような、そんなイベントにはしたくなかったから。

もちろんシンセ好きに楽しんでもらえるイベントには間違いないのですが、ライブイベントなので、やはりそういう側面から楽しみにしてもらえるような、そんなイベントになって欲しいなぁ、と思ってました。

それからもう一つ。

出演者全員が「モジュラーシンセ」を使うという事になるので、各出演者の出音が似たような方向にならないか、そこも少し気になってました。
モジュラーシンセといっても、個々のモジュールは単純な電圧変調器にしか過ぎません。それらの集合体なだけなのです。
例え、山のように膨大なモジュールを積み上たセットでも、とても数の少ないシンプルなセットでも、普通に使う範囲では似たり寄ったりの音しか出て来ません。

そこはね、やはりアナログですから。
突然、ピアノやサックスの音が出て来るわけじゃないんです。

でも、フタを開けてみたら、そんなお客さんや出音の心配なんて皆無でした。

5月26日、当日。
とにかく機材は多いし、各出演者のセッティングにも時間が掛かるので、平野さんには我がまま言って、いつもより早い時間からお店を開けてもらい、機材搬入となりました。

出演者が次々と到着し、セッティングが始まる。
そして、モジュラーシステムに一つ一つ火が入る。

いやぁ、nu thingsさん過去最高の消費電力じゃないですか?、なんていう冗談も。
平野さんがフロアの掃除にと、掃除機の電源入れると、荒川さんのMC-4の電源が落ちるというハプニングもありつつ(笑)、セッティングとリハは問題無く終了しました。


b_tさんのセットは、MFBのセミモジュラーとリズムマシン、Doepferのステップシーケンサー。そして、J.M.T SYNTHによるハンドメイドのアナログシンセ。


MINEさんのセット、凄然と並ぶモジュール群。この光景は、ちょっと萌えますよね〜(笑)


[yakan]さんのセット、色々なメーカーのモジュールが組み込まれているのが分かりますね。


Unyo303のセット、黄色いヤツ以外は、オマケです(笑)


稲見さんのセット、同じモジュールを複数使った歪みまくり系モジュール群!!


荒川さんのセット、Moog IIIcクローンのREONモジュラー(プロトタイプ)にDS-4、2台のProphet-5とdriftbox sとヴォコーダーのdriftbox v。MC-4のエラーと格闘中(笑)

いよいよオープン、
最初から、そこそこお客さんが入ってくれてる感じ。

そして、ライブ開始。

♪b_t

※撮影 : nu things

b_tさんのセットは、所謂「セミモジュラー」と呼ばれるタイプのシンセを複数使ったライブ。
「セミモジュラー」とは、本来のモジュラーであれば個々のモジュール間の結線はされておらず、一つ一つケーブルでパッチングしていく作業が必要なのですが、セミモジュラーは必要最低限のパッチングは内部で結線されているんですね。なので、基本的な音はパッチングしなくても音が出るのです。

そんなセミモジュラーを複数使い、更にそれらをパッチングしていくことで、モジュラー本来の面白さを出すセットになっていました。
今回、b_tさんがセミモジュラー使ったライブだったので、このイベントのアクセントになったと思ってるんです。

どうしても「モジュラー」ってなると、敷居が高いイメージが先行してしまいますし、、、そんな事は無い、他のシンセと同じなんですけどね。
セミモジュラー持ってる人はもっと多いと思うので、こういうアプローチでライブも出来るっていうパフォーマンスは凄く良かったなぁ、と。

ライブも、b_tさんらしいビートを先行しつつも、素直には聴かせない、エレクトロニカ系な展開でした。

♪MINE

※撮影 : nu things

MINEさんは、これはもう、きっと出音の数が少ないシンプルな攻め方で、空間を感じさせるライブするだろうな、と予想はしていたのですが、それ以上の荒技を用意していました(笑)

リハ終了後、全てのパッチケーブルを抜きさってしまう。
あれ?、と思って。

「本番は、音の出ない(ゼロ)状態から観てもらおうかな(笑)」、と。

うは(笑)
これ、モジュラーでライブしていると、一度は思うんですよ。パッチング作業している段階から見せたい、みたいな。でも、リスク高過ぎるんですよ(爆)
限られたライブ時間の中で、確実に最初の数分間は無音状態が続く訳です。

お客さんは、何時になったら音が出るのか?、と興味津々のはず。
こちらとしても、直ぐに音を出すだけなら、オシレーターなりフィルター発振させた状態で、音をPAに送ればパッチケーブル1,2本で音なんて出せる。

でも、それじゃ面白く無いでしょ?

だから、ちょっと変化球かませたパッチングしたくなる。
すると、音が出るまで時間が掛かる。

もうね、博打ですよ(笑)

「まだ音、出ませんね〜」なんて、お客さんを焦らしてる(笑)

1音出て、2音目が出て。
後半からは、MINEさんらしい音響・アンビエント系な雰囲気に。
お客さんも、ぐんっとモジュラー覗き込む感じになって。いかにもモジュラーらしいライブになってました。

♪[yakan]

※撮影 : nu things

今回、yakanさんが一番予想が付かなかった。
で、一番、良い意味で期待を裏切ってみせてくれました(笑)

まさかの、直球ど真ん中4つ打ち、どテクノ!!(爆)

ドスのきいたキック。荒いハットのような刻み。
TB顔負けのアシッドフレーズ、サイレンのような飛び交う音、等々。
どの1音とってみても、目の前のモジュラーから全て放たれている音。

これにはお客さんも、驚いた事でしょう。

でも、これ、意外と難しいんですよ。
ライブでモジュラーで、4つ打ちって。

音そのものというよりも、どうやって展開を作って行くのか、そういう部分で。

出せる音ネタといっても、そんなバリエーションは組めないわけですから。
限られたモジュール群の中で、実はやり繰りしているんです。

しかし、そんな事を感じさせない、一気に駆け抜けて行った、壮快なライブ。
ノリノリのお客さんもいましたものねー

♪Unyo303

※撮影 : Mikue

はい、私です。
まぁ、いつものように。。。

最初は、多めのモジュール持って来ようとも考えたのですけど、たぶん私以外の方々が、より沢山のセットで来るだろうと予想していたので(実際にb_tさんのセミモジュラー以外では、私のセットが最小システムでした)、逆に私は何時もと同じ1セットのシステムでやろう、と。

これぐらいのセットでも、モジュラーなら面白い事できるよ、っていう感じにしたかった。

モジュラーは使い方、アイディアやアプローチの方が凄く大切だから。
モジュラー本体の機能自体は、どれもシンプルなものですからね。

で、以前にも何度かライブでやった事はあったのですが、モジュラー以外の外部音声をモジュラーに突っ込んで加工するというもの。

モジュラーをエフェクター的に使うわけですね。

で、素材はどうしようかな、と。
iPod touch使うので、音ネタを仕込んでも良かったのですが、それでは面白く無いので、radikoでネット経由でラジオを受信して、生放送中のラジオ番組をモジュラーに突っ込もう、と(笑)

そんなわけで、MBS毎日放送ラジオに助けられましたwww

ちなみに、何の番組だったのか、よく知りません(爆)

それから、あの黄色いヤツですね。
今回は、光るサングラスかけたワイルド仕様(爆)

♪SUNAO INAMI

※撮影 : nu things

稲見さんはテクノなシーンで古くから活躍されている方なんですね。
私も以前から存じ上げていました。
古くはヴィンテージなモジュラーシンセも所有されていた時期もあったり、ここ最近ではラップトップPCを使ったノイズやIDM系のライブもされてて、機材にも音楽にも造詣が深い方なのです。

去年だったかな、初めて稲見さんのライブを聴きに行って。
その時に、色々とモジュラーシンセの話なんかさせてもらって。

だから、今回のモジュラー企画が出た時、真っ先に、稲見さんには出演して欲しいな、と思った。
nu thingsさんの方からオファーして頂けるよう、お願いしました。

そして、まさにノイズ!!
ノイズの嵐!!

こんなライブ、きっと多くの人なら、ラップトップPCとMax/MSPとかReaktorでやっちゃうのが普通。

でも、この強烈なノイズ発振音は、モジュラーが絶叫している音なのだ。
目の前で、音楽だ理論だなんだかんだというものを、かなぐり捨てたライブが展開されている。

面白いのが、コンパクトな箱に収まったモジュールのセット。これを手にして、ツマミを動かしながら、箱ごと逆さまにしたり横にしたり、凄い勢いで動かしている。その度に、音が変化する。

最初はラップトップPCとかにも入っている、平行を感知するセンサーを付けて、CV出力しているのかなと思ったのですが、実はLight to CVモジュールが組み込まれていました。
このLight to CVは、光量を感知してCV(電圧)を生成するモジュール。
なので、下に向けると暗くなるので生成される電圧は下がり、上に向けると天井や周囲からの照明の明るさに反応した電圧が出力される。

ステージや照明のセット次第で、どんな電圧が飛び出すかわからないモジュール(笑)

最後はモジュラーの電源を、ブチッと引っこ抜いて終わる。
いやぁ、凄いライブでした。

でも、全てがアナログ音から作られたノイズなので、なぜか耳に痛くないんですよね、不思議。

・Shin Arakawa

※撮影 : nu things

荒川さんです。
今回、荒川さんに出演のお願いをしたのは、もちろん、あのMoog IIIc(所謂、タンス)の復刻モデルを開発しているわけですから、その大型モジュラーは今回の企画には絶対に出て欲しいと、
と同時に、荒川さんならモジュラー使って、凄くテクノポップな誰しも耳に馴染みのある音を出してくれるだろうと。

それは稲見さんの強烈なノイズと凄く対極的なライブになるだろうと思ったからです。

同じモジュラー使っても、これほどまでに違うのか、という。

荒川さんは、Moog IIIc復刻モデルのプロトタイプとリズム音源のDS-4を、MC-4でコントロール。それに2台のProphet-5とdriftbox sとヴォコーダーのdriftbox vを使ったライブでした。
バックのオケは。全てプロトタイプの大型モジュラーとDS-4のみによる音。

そして、奏でるは、、、ドイツのあのクラフトワーク。

これには、お客さんも驚きと同時に凄い新鮮さを感じてもらえたと思います。

MC-4に次のデータをロードするのには、数分掛かる。
それは、元データがカセットテープに「録音」されているからです。

そのロードされる待ち時間を使って、荒川さんによる簡単なモジュラーシンセ講座が展開される。
これも、荒川さんには、ぜひやって欲しいと思ってた事なので、良かったなぁ、と。

そして、今回のイベントで最も印象深かったのが、荒川さんの最後の曲でした。
細野晴臣さんのアルバム「はらいそ」からの曲。

実はリハの時からMC-4の調子が悪く、データをロードしても、可成りの確率で読み込みエラーが発生していました。
荒川さんは3曲演奏したので、途中で2回のロード作業が必要になって来ます。2曲目のロードは問題なく読み込めたようでした。

しかし、最後の曲。
データをロードするのに、約3分ほど掛かります。

さあ、スタート、、、何かがオカシイ。

荒川さんは、Prophet-5とdriftbox sで即興演奏しながら、再びMC-4にデータを再ロードかけます。
この間、3分。
トラブってる様子を見せず(内心は凄く焦っていたはずです)、即興演奏を続けます。
再ロード終了、、、が、再度のエラー。

再々ロードをかけます。
また、3分。
ずっと、即興演奏で場を繋ぎます。

そして、なんとかデータの読み込みに成功して曲が始まりました。

最近の、特にラップトップPCを使ったエレクトロニカ系のライブでは、トラブルと簡単に、、、

「すいません、ちょっと最初からやり直します」、、、と言っちゃう人が多いんです。

でも、これ、本当なら凄く恥ずかしい行為だと思うんですよ。
本来、ライブに「やり直し」など存在しないんです。

ライブにトラブルは付き物です。
万全で用意した全て、考えていた事の全てが達成されるライブなんて不可能だと思います。

そんなトラブルを、どうやって回避するのか、っていうのもライブの経験のはずなんです。
音を止めずに、自分のライブを止めずに、なんとか持ち時間を乗り切れるのか、というのもライブのはずなんですよ。

だから、荒川さんの最後のトラブルは、観ていて凄いな、と。

そんなこんなで、無事にイベントが終了しました。

当初。少し心配していた、同じ「モジュラーシンセ」というシステムを使うだけに、出演者同士で似たようなアプローチにならないか、、、という事も、なんてことはない、さすがです。
みなさん、それぞれのアプローチで音的にも被らない、それぞれの出演者の個性、そして「モジュラーシンセ」でこんな事が出来るよ、っていうパフォーマンスをしてくれました。

遊びに来て頂いたお客さんも、単に写真撮って満足、、、みたいな雰囲気じゃなくて。とても興味を持って、音に耳を傾けてられました。
各出演者のライブ終了後には、色々と質問されていたりしましたよね。

こういうイベント、「モジュラーシンセ」が、という事よりも、単体のリアル楽器の再認識みたいな場になって欲しいと思ってたんです。

買わないから売れない、売れないなら造らない、造らないから欲しい楽器が無い、、、みたいな悪循環があると思うんです。

それは、楽器メーカーにとってもアーティストにとっても、悲しい事だと思ってます。

そんな意味でも、何か感じてもらえるイベントになっていれば、幸いです。

今回のイベント、重い機材を持ち込みライブをして頂いた出演者のみなさま、本当にありがとうございました。
nu thingsさん、お世話になりました。

そして、こんなマニアックなイベントへ遊びに来て頂いたみなさんに感謝。

で、、、「次回、どうします?」、、、って。

あのですね、、、(笑)


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