あっちとこっち

文化庁が中心となって、映像や音楽に出版等、とりわけIT化の時代が進み、これらのコンテンツを合法にも違法にも、インターネット上で見聞き出来る時代となった事への対応を協議するため、著作権に関する審議会の中で、「私的録音録画小委員会」(所謂、iPod課金)という委員会があり、MiAU発起人の一人でもある、津田大介氏も委員として参加されていた。
例の「ダウンロード違法化」も、こういった流れの中で出来上がった。
津田氏は、一貫して合法にお金を出し利用しているユーザー側からの視点に立った立場で発言をされていた。とりわけ音楽方面に関する、権利者側の一方的な主張には、MiAUを通じて広くパブリック・コメントを募集したりと、「お金を払って使うユーザーの話も聞きなさい」と行動をしていた。
先日、小室哲哉容疑者が詐欺容疑で逮捕されたのは、ちょっとした衝撃でしたよね。
「著作権」を悪用した詐欺という、今まであまり聞き慣れない詐欺でした。
この件に関して、津田氏がTwitterでポロポロと発言をされてましたが、こちらの記事でも少し、この犯罪と裏に潜む本当の問題を指摘されています。
「著作権」って言葉は、聞き慣れた見慣れた言葉なのに、私もよく分かってない。


以前、自宅サーバーを立ててネットラジオを始めようと思い、JASRACに問い合わせた事がありましたが、お金で解決できる部分と、それだけでは解決できない部分があり、個人が100%合法的にネットラジオで自分個人以外の人や団体が持つ著作権物を流すのは不可能なんだと感じた事もありました。
私自身、趣味とはいえ曲を作って、ネットに公開しています。
同時に、クリエイティブ・コモンズを各楽曲で宣言しています。これは、自身で著作権を持つ人が、公に自身の作品に対して、どのような著作権を定義するかという事を表明するものです。
もちろん、法的拘束力はありませんが。。。
モノを作る人として、「著作権」は、もちろん大切です。とても大切です。
しかしながら、その著作権という「権力」を、クリエイタ−やユーザーとは違う立場の人達が使うという、今の現状が問題だと思ってます。
そういえば、以前、Second Lifeで遊んでいた時、テクスチャを使う事について、次のような発言をしている人を見た事がありました。
「著作権に関して、何も書いてないから、自由に使っていいんだよね」
もちろん、これは間違いです。
津田氏の記事にもあるように、所謂「著作権」は、目に見える形で存在した時点で、自動発生します。自動的に著作権法で守られる事になります。
クリエイタ−は、1つ1つの作品に「著作権」について、何ら表記する必要が無いんですね。
よくネット上でも「Copyright *** All Rights Reserved」という表記がありますが、こんなものが無くても著作権は、ちゃんと存在しています。
私がクリエイティブ・コモンズを使って、わざわざ著作権について表記しているのは、そもそも自分が営利目的でクリエイトしていないからです。
「私の作品である」という人格権が最低限守られれば、あとは自由に自分の作品を使って欲しいという気持ちがあるのです。しかしながら、現状の著作権に関する法律は、このようなクリエイタ−個別の意見を反映できるシステムになっていません。そのため、クリエイティブ・コモンズを宣言して、人格権を守り非営利目的なら二次的著作物も含めて、自由に使って下さい、と。
法律があるのに、まるで空気を手で掴むような実態が見え難い。
「私的録音録画小委員会」、改めて議事録を流し読みしました。
以前はIT系ニュース・サイトから抜粋のような形でしか読んでなかったから。
音楽CDが売れなくなった理由って、かなり広範囲に広がる要素があると思いますよね。
まず、「違法コピーが増えたから」ってのは、これはもう権利者側のプロパガンダみたいなもので。
私なんて、自分で曲とか音楽を作ってるのに、確実に他人の音楽を聴く機会と時間、減ってますよ。
さらに「違法コピー」も無縁。だってメンドクサイでしょ、ネットで落として来たりとか。あと友人知人からコピーしてもらうといっても、そんなマメな人もいなかったり(笑)
別にCDを買わなくても、、、それどころか音楽を聴かなくても生活に問題ないでしょ。
そんなレベルだと思うんですよ。
議事録で津田氏が発言されていますが、、、
たぶんCDを買う世代って、10〜30代の割合が多いのかなって思うんですけど、そもそも、その世代の人口が減ってると。
DVDや携帯電話のコンテンツとか、ゲームとかネット向けの多様なコンテンツ配信とか。娯楽に使うお金が分散してると。
権利者側は「権利」を守ろうと発言をするわけですけど、結局、私のような平凡な消費者から見れば、「儲けが減るからってことか」って理解しています。
そもそも、儲けが減るも増えるも、コンテンツの質の問題ですよね。
「違法」なコピーし、それを転売とか、そんな行為は論外なのは当たり前なのですが。
ここで、ずっと議論されて来たのは、「私的複製」を、何処まで認めるのか、、、って事。
今、基本的に「許されて」いる。あくまでも、お金を出して購入した人「個人」だけが楽しむ事を前提に、「何回、コピーしてもOKだよ」と。
じゃー、それを家族では聴いちゃ駄目なのか、友達と聴くのは駄目なのか、と。このあたり、グレー・ゾーンで、事実上「許されて」いたよね。でも、これを規制しようという動きが、この委員会でもあって、津田氏が強く反対をしていた。
「このような私的複製が、音楽業界を大きくした」という主旨の発言があるのですけど、凄い勇気のある発言だと思いましたよ。
実際問題、「この曲、めっちゃ良いよっ!!」って友人に聴かせたり、カセットテープ(今ならCDか、、、mp3か、、、)なんかで渡したりした経験、貰った経験ってあると思うんですよ。あくまでも、個人から個人の受け渡しね。ネット上に公開して、「不特定多数」が相手というものじゃなくて。
「私から、あなたに」という関係。
映像の世界では、「ダビング10」なんて方式で、コピーは9回までOK、10回目は駄目だよって。
この件に関しても、津田氏は「音楽は、映像や文字と違ってリピートされる機会が多いコンテンツ」という主旨で発言してて、このような回数制限にも問題があると指摘してます。
津田氏の意見は、読んでいても納得できる部分が多いというか、コンテンツを購入するためにお金払うの、僕ら消費者側なんですがー、、、って気持ちを伝えてくれていたように思う。
まあ、小室事件と直接の関係は無いかもですが、この著作権にまつわる話として、興味のある方は議事録を読まれてみてはどうでしょうか。
小室哲哉容疑者の逮捕、、、詐欺罪だけでは話が見えて来ない、著作権という「権力」に群がる裏の部分をあぶり出して欲しいと思います。
P.S.
そういえば、11月29日あたりの都内で、この小室問題に端を発した著作権問題を含めた集会を、津田氏が企画しているようですよ?

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