日本一周一人旅アーカイブ 1992-1993 vol.15

日本一周一人旅アーカイブ

今から28年前。1992年〜1993年に掛けて、約2ヶ月間の駆け足で巡った日本一周一人旅を、当時の旅日記と残っていた資料、そして遠くなった記憶を頼りにアーカイブ化していきます。
ただ、さすがに記憶が曖昧なのと、28年前にもなるので、もう今は存在しない場所や建物、宿泊施設。また廃止された路線等もあるかと思います。また地図を載せている場合も、正確な移動ルート等を現していません。
アップしていく写真も、今から28年前のプリントをスマホで撮影しています。現在とは様子も変化している事でしょう。
このアーカイブ化していく情報は、全て28年前の情報となります。
当時の事を、旅日記をメインにして簡単にまとめて行きますが、もしかすると記憶違いな事を書いてしまう可能性がありますので、ご理解頂ければと思います。

1992年8月29日(土) / 晴れ

以下の記事内容は、2020年現在と大幅に違う部分があります。
必ず記事最後の『追記』もご覧下さい。

朝、5時30分起床!!
眠たい。。。
 
今日、8時間コースを歩くのは、鶴野さんと串崎さん、私の男性3人。
そして女性2人が、8時間コースの途中まで歩く4時間コース(岬めぐりコース)に。
 
もちろん5人共に、この民宿で知り合ったばかりなのだ。
 
早々に 朝御飯を食べて準備。
女将さんが昼御飯にと、特大おにぎりを用意してくれた。
 
8時間コースの出発点である、礼文島の一番北にある、スコトン岬までは、香深港からの始発バスで行くのが通常なんですけど、ヘルパーの堀さんが車で送ってくれた。
 
こんな朝早くから車内のBGMがレゲエだ(笑)
 
そして、〝スコトン岬〟に到着。
めっちゃ風が強い、めっちゃ寒い。
8月の終わりとはいえ、さすが最北の島。とても半袖ではいられない。

5人で、いざ出発!!

スコトン岬からは無人島の〝海驢島〟(トド島)が見えた。
トド猟がおこなわれていた事もあって、〝トド島〟と呼ばれるようになったとか。

スコトン岬

始発バスより早い時間帯に着いたので、それほど人もまだいないのですが、なにやら団体な人達がいて、「一緒に写真を撮ろう」と私達も巻き込まれていく。。。
やはり、どうやら桃岩ユースホステルの人達のようで、昨日の港での見送りパフォーマンスといい、なんともパワフルな事か。。。
 
色々な人と写真を撮ったりして、なかなか出発できない(笑)
 
最北限の牛乳やらトイレがあった。

2020年10月現在も存在しているようです

始発のバスが到着する頃に、やっと落ち着いたところで出発。
8時間コースとは名ばかりで、普通のペースで歩くと10時間ぐらいは掛かる。あまりゆっくりもしてられないのだ。
 
スコトン岬を後にして、しばらくは車で来た舗装道路を戻る感じで歩いてから、丘に続く遊歩道のような細い1本道に入る。

まだまだ余裕

そしてしばらく歩くと民家が、、、あれ、道は民家へと続いて、、、行き止まりじゃないの?
と、思い出したのが昨夜の大将からの説明。途中で民家の中を歩くところがある、と聞いていた。なんのこっちゃ、と思っていたけど、もしかして、ここか?
よくわかんないけど、民家の庭なのかどうなのか判断出来ないけど(笑)、そのまま横切って行きます。
 
ここから、けっこうな急斜面な登りが続いて、まだスタートしたばかりなので、さすがにキツイけど、まだまだ沢山の花が咲いていて癒される。

スコトン岬から急登はしんどいけど、高山植物の花が綺麗

登り切ると、けっこう高い場所まで上がっていた事に気付く、道から逸れると断崖があるし、その先に〝ゴロタ岬〟が見えた。
岬には柵はあるものの、それを超えて崖側まで行くと、流石になかなかの迫力で怖い(笑)

ゴロタ岬

ゴロタ岬からは一気に降って浜辺まで。
ゴロタ浜〟を歩いていると、鶴野さんらが貝を探し始めた。この浜には『穴あき貝』という、綺麗な丸の穴が開いた貝殻があるらしい。
全員で探していると、後から来たユースホステルの人達に次々と追い抜かれてしまった。

ゴロタ浜で貝殻探し

ここから、またキツイ登りで少し標高を上げて見えてくるのが、まるで沖縄の海のようなスカイブルーの海岸、〝澄海岬〟(スカイ岬)。上から見る澄海岬は、礼文島の中でも、ちょっと別世界な感じ。
 
澄海岬の浜まで一旦降りると、お店とかがあって、焼きジャガイモとか売っていた。美味しそう、、、

澄海岬

澄海岬から再び標高を上げつつ、〝西上泊分岐〟という遊歩道が分岐している地点まで来た。
ここで4時間コースを歩く女性陣とはお別れ、このままバス停のある外周道路の〝浜中〟まで出て、〝久種湖〟を観てから戻るそうだ。
 
さあ、男3人衆、いよいよ本格的な8時間コースへ突入だ。

8時間コースも中盤へ

西上泊分岐から、そこそこの標高をひたすら歩く。山側に入ったようで、小刻みなアップダウン、地面が滑りやすいし、海もあまり見えない。ちょうどお昼近くになって来て、太陽が真上に。木々で日陰はあるとはいえ、風がないのでなかなか暑い。景色の変化も乏しくなり、歩く行程がしんどい。
 
途中、湧き水?で顔を洗ってお昼ごん。
女将さんの高密度おにぎり(笑)、食べても食べても減らない(爆)
やっと中身の梅干しまで辿り着いた!!
 
一休みして出発。
この間は分岐するような道も無く、戻るかひたすら進むか、という。

ひたすら歩く歩く

しばらく歩きながら、ゆるゆる登りが続くと見晴らしの良い場所に出た。
高台のような場所で地面は、これまで歩いて来たよりもサラサラした砂地になっている。
海側も開けて見えて、とても気持ち良い!!
どうも〝ハゲ山〟と呼ばれている場所のようで、周囲にあまり木々が無い。海からの風が強く吹きつけるため為、背の高い木々が育たないとかで、この一帯だけ広々としている。
 
先行していた8時間コースの人達も、ここで一休みしていた。

見晴らしが最高

私達も一休みして、先に進もうとすると、今までに見た事ないぐらいの急斜面に道が続く。かなりの勾配の下りになっていて、地面は砂地になっている。フト見ると、地面にロープも張られている。
 
先に鶴野さんがロープを持って慎重に下りていく。
次に私、、、が、何を思ったのかロープを持つ前に2歩3歩と、斜面へ足を出してしまった。。。
 
「あ、ヤバイ」
 
地面が砂地なので、全く踏ん張りが効かない。砂の中に足が埋まる。
上半身のコントロールが効かない、前のめりになってしまった。
 
その瞬間、ずどーんっと転けて、そのまま斜面を二転三転するように転げ落ちた。
 
砂ぼこりがモウモウと立ち上がる。
 
自分でも何が起こったのか、わからない。
鶴野さんと串崎さんが声を掛けている感じだったけど、よく聞き取れなかった。
 
立ち上がって、ようやく状況がわかった。
腕に擦り傷ぐらいで済んだけど、下が砂地じゃなくて岩とかがあったら大怪我していたかもしれない。
それに、もし道からそれていたら滑落のような状況になっていたかもしれない。
 
あーあ。
服が凄く汚れてしまった。。。
(まあ、大した怪我も無くて良かったのですけど。。。)
 
ここはハゲ山の〝砂すべり〟という場所で、8時間コースの中でも難所の1つになっているそうだ。
まんまと罠に掛かった感じ。。。

気を取り直して、この急斜面を下りて、いっきに海岸まで出て来た。
アナマ岩〟という所から少し海岸線を歩く。前半の海岸線と違って、砂浜というよりは砂利や小石の浜で、陸側には崖があり、落石に注意が必要で、浜の幅も広く無くて、逃げ場が無いので、高波の注意も必要だ。

ほどなく〝宇遠内〟(ウエンナイ)という場所に辿り着いた。
ここにお店があって一休み、麦茶を飲んだ。
 
うまい〜
 
宇遠内で一旦、お店から宿に連絡。
 
宇遠内からは、〝礼文林道〟に繋がる道があるけど、8時間コースは、ここからゴールがある地蔵岩まで海岸線を歩く。

いよいよ8時間コースも最終盤、そして最後にして最大の難関ルートへと突入する。8時間コースの地獄は、ここからだ(爆)

宇遠内を出発して直ぐに、「うーん」となる。
 
三人して、「ここ、歩いていくの?」って立ち止まる。
 
まず、、、道が無いのだ。
 
切り立った壁のような崖と、その下にゴツゴツした岩場があり、その下は海だ。
岩には白いペンキで矢印だけが書いてある。
 
この岩場を登って、崖の下側を張り付くようにして進め、という。。。
 
とにかく前進するしかありません。
 
岩に取り付き上へ登ると、ゴツゴツした岩が海岸沿いに続いている。
下を見ると、海が入り込んで来ている所もある。
岩から岩へ。足場を確認しながら前へ進んで行く。
 
もし、足を滑らそうものなら、海へ転落してしまうかもしれない。
もはや崖側の落石を気にしている余裕も無い。
 
既に相当な距離を歩いて来て、最後がコレかという。
 
しばらく岩の群れを進むと浜辺が見えた。浜辺といっても、やはり小石の浜で疲れた足には楽では無い。
その先に飛び出した岬があり、また崖と岩の塊が見える。
 
うへー、またかー
と思いつつも、あの岬を回り込めば、その先にゴールの地蔵岩が見えるんじゃないか、と淡い期待を胸に、再び岩との格闘。
 
そして、やっと岬を回り込んだかと思えば、また小石の浜辺と、その先に飛び出した岬が。。。
がっくりする。。。
 
こんな事を何度も繰り返して進んだ。

いよいよ8時間コース終盤へ

徐々に3人の歩くペースにも差が出て来た。もう、完全に一人一人で歩いている感じだ。そして最後が私。。。
 
どうやら、岩場が苦手らしい。
前へ進まなくちゃいけないのに、変に慎重になって横移動が多くなってしまう。軌道修正して前へ進む事を意識するも、気が付けば横移動がまた多くなっている。
 
そして余計に疲れる。
 
ヘトヘトになりながら進んでいると、先行している二人が一休みしていたので追い付いた。
 
おお。
礼文滝〟だ。

礼文滝

この海岸側から見る礼文滝は、8時間コースからのプレゼントといえるかもしれない。
顔を洗って一休みして、もう一息だ。
 
浜辺を歩き岩場を乗り越え、「次こそ」という期待を裏切られ、もう、どうでもいい感じになって来たところへ、ふと視界に飛び込んで来たのは、遠くに小さくはあるけど、縦長の岩が見えた。
 
地蔵岩〟に間違いない!!
8時間コースのゴールだ!!
やっと見えた!!

遠くに建物が見える?!

と言っても、もう歩くペースを早める気力も体力もありません。
 
少しずつ地蔵岩に近付いていく。
どんどん大きく見えて来る。
 
そして、いよいよ地蔵岩の正面までやって来た。
鶴野さんと串崎さんが待っていてくれた。
 
あれ、、、?
同じ宿に泊まっている、君学さんと盛さんの二人もいる。
どうして?、と思い、みんなのところに追い付いた。
 
すると、 君学さんと盛さんの二人が白いテープを用意してくれていた。
なんと!!
 
鶴野んと串崎さん、そして私と三人揃ってゴールのテープを切った。
 
やった!!
礼文島8時間コース踏破!!

地蔵岩でゴール!!

半端ないわ、この8時間コース。
実際には10時間は掛かっていると思う。
昨日の2時間コースなんて、お子様レベルじゃないか(笑)
 
地蔵岩から更にしばらく歩くと〝元地〟の集落に出た。
お土産屋さんのお店とか、幾つかお店がある中、民芸品〝リュウの店〟に立ち寄る。
 
ここの店主と、泊まっている宿の大将とは仲が良いらしくて、このお店から宿に連絡したら、大将が車で迎えに来てくれる事になっていた。
8時間コースを歩いた御褒美?にと、リュウの店の店主からキーホルダーとビールを戴いた。
 
いやぁ、生きてる(笑)
 
ここのお店の店主、風貌がなかなか迫力ある感じなんですけど(笑)、とても親切で良い人なんだなぁ、と。

大将が車で迎えに来てくれて、民宿〝岬しれとこ〟へ帰還。
 
帰ると、Tシャツやらドロドロになってる私を見た女将さんが驚いていたw
 
途中から分かれて4時間コースを巡っていた女性陣が、たい焼きを買って来てくれていた。美味しい、、、

とにかく先に風呂へ入って洗濯回しながらの晩御飯。
 
夜の〝離れ〟に移ってからは、新しいお客さんやらとワイワイ言いながら、8時間コースの話で盛り上がった。
〝砂すべり〟で転げ落ちた話は、笑いのネタになった。。。

移動距離 : 約65km (自動車移動も含む)
礼文島・8時間コース(約30km)
スコトン岬 〜 ゴロタ岬 〜 ゴロタ浜 〜 澄海岬 〜 西上泊分岐 〜 ハゲ山(砂すべり) 〜 アナマ岩 〜 宇遠内 〜 礼文滝 〜 地蔵岩

1992年当時の8時間コース。現在はスタート、ゴール共に変更されています。

注意 : Googleマップ仕様の関係上、下車等せず通過した地点も記載したルートになっています。また、当時の正確な移動ルートを再現しているものでもありません。〝大凡〟のルートになります。

追記

上記にある情報は、あくまでも1992年当時のものであり、2020年現在ではルート等の大幅な変更があります。特に8時間コースの後半である、宇遠内から地蔵岩(元地)までの海岸線は、全面通行禁止となっています
また、特に8時間コースは以前より歩く距離が短くなったとはいえ、自分の足で長時間の移動というのは変わりません。携帯電話の繋がらない区間や、途中で分岐も無く集落もない区間では何かトラブルが発生しても、直ぐに助けを呼ぶ事が出来ない場合が想定されます。
自動販売機や飲食店のような便利な施設は、ほぼありません。(スコトン岬、澄海岬や宇遠内にあるぐらいでしょうか)
 
その為、最新の地図と情報。特に礼文島内で宿泊されるのであれば、宿主や同じ宿泊客からも最新の情報を得て下さい。また可能な限り、単独では無く複数で歩くようにして下さい。一人旅の方は、同じ宿に泊まっている人達や、8時間コースをスタートしてから一緒に歩いてくれる仲間を探したりしてみて下さい。
 
登山するわけでもないトレッキングコースではありますが、日本最北の島という事を忘れてはいけません。ちょっとしたハイキング程度の装備では痛い目に合うかもしれません。しっかり食料や飲料水、暑さ寒さや雨対策、怪我をした時の応急処置等、しっかりとした準備をして下さい。
 
改めて、2020年10月現在に公開されている地図を載せておきます。
詳しくは、礼文島観光協会、または礼文島トレイルオフィシャルウェブ等で確認して下さい。


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