日本一周一人旅アーカイブ 1992-1993 vol.13

日本一周一人旅アーカイブ

今から28年前。1992年〜1993年に掛けて、約2ヶ月間の駆け足で巡った日本一周一人旅を、当時の旅日記と残っていた資料、そして遠くなった記憶を頼りにアーカイブ化していきます。
ただ、さすがに記憶が曖昧なのと、28年前にもなるので、もう今は存在しない場所や建物、宿泊施設。また廃止された路線等もあるかと思います。また地図を載せている場合も、正確な移動ルート等を現していません。
アップしていく写真も、今から28年前のプリントをスマホで撮影しています。現在とは様子も変化している事でしょう。
このアーカイブ化していく情報は、全て28年前の情報となります。
当時の事を、旅日記をメインにして簡単にまとめて行きますが、もしかすると記憶違いな事を書いてしまう可能性がありますので、ご理解頂ければと思います。

1992年8月27日(木) / 晴れ

さて、日本一周一人旅も小休止のような感じになっていたけど、3日間お世話になった砂時さんの自宅を後にして、旅の再開です。
 
朝早くから、冨田さんは自転車の整備。
自宅の兵庫県から自転車を送っていて、組み立てている。
そう、彼は富士山山頂へ自転車と共に登頂するほどの、筋金入りの〝チャリダー〟なのだ。この札幌から自宅のある兵庫県まで、自転車で帰る予定という。 
わざわざ遠い北海道の大学まで編入試験を受けに来た理由の半分は、この自転車旅の実行らしい(笑)

後で聞いた話ですが、兵庫県にある自宅へ戻るのに予定日に到着もせず、連絡も無く、少し騒ぎになったそうだ。結局、自宅に到着したのは、私がこの旅の前半を終えて大阪に戻って来た頃と同じぐらいだったらしい。

冨田さんは、整備を終えた自転車に荷物一式をセットして出発。
砂時さんと私はバスで出発。
 
大通公園の『さっぽろテレビ塔』で待ち合わせ。
そこに、昨日に引き続いて石持さんが駆け付けてくれた。
そして、たまたま研修で札幌に来られていた、静岡の勝又さん(もちろん月刊マイコン読者仲間であり初対面)ともお会い出来た。
 
ここで、みなさんとお別れ。
 
勝又さんは、この後に快速・ミッドナイトで函館へ、そして帰られるそうだ。
(そうそう、勝又さんも鉄道好きだった)
 
冨田さんは、今日は金子さんの自宅に泊まって、明日に出発するそう。
(冨田さんとは、この日本一周一人旅の後半で、再び出会う事になる)

快速・ミッドナイトは、函館〜札幌間を走る快速夜行列車。快速電車である為、青春18きっぷでも乗車可能な夜行列車だった。2002年に廃止。

私は札幌の地下鉄に乗って、札幌駅へ移動。
レールの上を鉄の車輪で動くのではなく、ゴム?のタイヤで移動する車両。
レールの上を走る聞き慣れた音とは、やはり違う。不思議な感じ、でも乗り心地は凄く良かった。
 
札幌駅で駅弁を買って、急行・宗谷に乗り込む。
それほど人も乗ってない感じ。
 
駅弁を食べて、風景を見たり居眠りしたり。
なんせ、乗ってしまえば終点の稚内まで一本、3時間を超える移動。

急行・宗谷は、札幌〜稚内を結ぶ急行電車。紆余曲折あったものの、現在は特急・宗谷として運行。走行距離396.2kmは、2020年現在でも、気動車(ディーゼル車)特急としては最も長い定期運行列車。

稚内へ近付いて来ると、利尻山(利尻島)が観えて来た。
麓(というか、海面というか)が霧のようなもので霞んでいて、まるで海の上に利尻山が浮いているように観えて、凄く不思議。
 
南稚内駅の方が拓けているらしい、という感じだったので、終点の稚内駅で降りるか、1つ手前の南稚内駅で降りるか迷ったのですが、とりあえず終点まで行ってしまおう、と。

そう、この決断が、この先の旅、、、日本一周一人旅の強く印象に残る思い出となっていく伏線になるとは、知る由もなく、、、

稚内駅に到着。
日本最北端の駅だ。

陽も傾きかけている。
取り急ぎ観光案内所で宿探し。
駅舎を出て直ぐ横にある、〝旅館さいはて〟を教えてもらい、とりあえず行ってみる事に。
 
中に入ると、女将さんらしい人が対応してくれた。
 
「一人?、一人の部屋は空いてなくて、、、」
と。
 
うーん、そうかー。
次、探すかー、と。
 
旅館を出て、玄関先で次は何処の宿に飛び込もうか、と考えているところに、一人の男性が入れ違いで、旅館に入っていった。
同じように今夜、部屋が空いているか聞いている模様で、やはり断られている。。。
 
が、その時。
 
「ちょっと、ちょっと」、と。
 
私?、と思って振り向くと、その女将さんが私を呼んでいる。
 
「二人なら部屋あるけど、どうされます?」って。
 
えっ?、って。
その、もう一人の男性も「えっ?」って感じで、お互いに顔を見合わせる(笑)
 
「どうします?」
「泊まります?」
「泊まりましょうか」、と(笑)
 
妙な偶然から、この旅始まってからの初めて、見ず知らずの人と相部屋で宿泊する事になった。
その方は、大学生で同じく北海道を周っているとの事だった。名前は聞いたかもですけど、忘れているなあ。。。
 
女将さんに、近所で晩御飯にお薦めの店を教えてもらって、二人で行きました。
何を話したのか、全く覚えてないけど、、、色々と旅の話をしたんだろうな、と。
 
明日、私が礼文島に渡ると聞いて、女将さんが宿も紹介してくれた。
自分の衣服を洗濯していたら、お風呂してる間に干しておいてくれた。
 
この旅を始めて、宿は寝泊まりするだけ、みたいな感じでずっと来たけど、なんだか自分の家みたいというのは大袈裟だけど、それぐらいアットホームな宿で、凄く居心地が良かったなあ。

それにしても、なんという偶然か。
南稚内駅で降りていれば、こうはならなかっただろう。
 
布団に寝っ転がりながら、二人でアレコレ話をしたっけ。
 
明日は礼文島だ。

〝旅館さいはて〟は、2011年からの稚内駅前再開発に伴って?、どうやら廃業されてしまったようです。残念です。。。
トビラ画像もリニューアル前の稚内駅舎になります。

移動距離 : 約397km
さっぽろテレビ塔 〜 札幌駅 〜 稚内駅

注意 : Googleマップ仕様の関係上、下車等せず通過した地点も記載したルートになっています。また、当時の正確な移動ルートを再現しているものでもありません。〝大凡〟のルートになります。


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