京都は美山旅日記(1/2)

※だらだら超長文につき、誤字脱字失礼!!(笑)

既に2ヶ月以上前の話なのですが、、、(笑)

9月最初の三連休を使って、京都は美山町に行って来ました。

美山町は京都府南丹市にあって。ちょうど京都府内のど真ん中、そして南丹市の約半分を占める大きな町です。山間深い場所に広がる町で、町というにはとても広大な地域です。

たまたま妻が、この美山町で「薪能」(野外で薪の明かりだけを使って催される能)がある事を見つけて、それが、この9月最初の三連休の初日にある、と。調べてみると、これがとてもとても幻想的な能なのです。

暗闇の中に薪の明かりが灯り、その灯りがゆらぐ能の舞台で舞い踊る。

美山町の「薪能」の写真を観ていると、これはもう、「絶対に行かなくてはっ!!」と(笑)

というわけで、京都は美山へ行く事になったものの、ちょっと問題が。
、、、と言うのも、私達は車が無いので、電車やバス等の公共交通機関を利用しての移動がメインになります。
最寄りの駅(、、、といっても、美山までは可成りの距離がありますが、、、)から美山へ行くところまでは、バスの本数に限りがあるものの、なんとかなりそう。

しかし、美山町内の移動が大変。

美山町は広い。
歩いて移動出来る範囲は、ごくわずか、限られて来ます。
美山町内には市営バスが走っているようなのですが、これまた本数が少ない。と同時に、インターネットでアレコレ調べても、なかなか市営バスの詳しい情報が見つからない。
辛うじて時刻表は見つけたものの、私達が行こうと思っている場所の最寄りバス停が何なのか等、よく分からない事だらけです。

とりあえず、「薪能」が催されるのは、美山かやぶき美術館
能は夜に催されるので、宿泊となると美術館から近い場所に限られて来ます。
終わるのが20時を越えてしまうので、もう移動手段が無い。

タクシーも、とは考えていたのですが、どうも町内にはタクシーが数台しか無いという話があって。。。

しかし、、、近場、、、歩いて行ける範囲に、なかなか宿泊場所が見つからない。。。

どうするべ〜、、、という最中、旬季庵という、とっても良さそうなお宿を発見。
しかしですね、美山かやぶき美術館からは、かなり遠い。。。

とりあえず、旬季庵さんに電話してみて宿泊出来るようなら、ちょっと相談してみよう、という話になりました。

とりあえず部屋は空いているとの事、では、どうしよう。
夜、「薪能」が終わってから向かいたいのですが、足が無くて、、、と事情を説明すると、なんと美山かやぶき美術館まで迎えに来てくれるとの事!!

おおお、助かった!!

更に、次の日は田歌舎のレンジャーの方と共に山歩きの予定で、田歌舎さんも宿まで迎えに来てくれる話になっていたので、それなら旬季庵さんに連泊しちゃった方が荷物も置いておけるし良いかも!!、、、と、話はトントン拍子に進んだのでした。

だが、しかし。

三日前になって、旬季庵さんから連絡が入る。
宿泊客が、もう一組出たので、美山かやぶき美術館には迎えに行けない、と。

ぬぬぬぬぬぬっ!!

こりゃ、困った。
夜になってからの、美山かやぶき美術館から旬季庵さんへの移動手段が確保出来ない以上、初日に旬季庵さんに宿泊するのは不可能です。

とにもかくにも、美山初日、美山かやぶき美術館からの宿泊を確保しなくては!!

しかし、ずっと探して来た結果がコレなわけで、他に探すといっても。。。
とりあえず、美山町の観光協会に電話してみて、相談してみる事に。

すると、電話に出た女性の方が凄く親切で、美山かやぶき美術館へ連絡を取って頂き、近くに宿泊出来る場所が無いか、聞いて下さいました。そして、美山かやぶき美術館から歩いて行ける範囲に、民宿みやま、という宿がありますよ。部屋も空いているそうです、どうですか?、という答えが返って来ました。

おおおお、助かる!!

早速、民宿みやまさんに連絡。
晩御飯は「薪能」でお弁当を予約していたので、朝ご飯だけにしてもらい、なんとか初日の宿を確保出来ました。

ふ〜(笑)

ここまで書いて、まだ美山町に到着さえしていない(爆)

さてさて。
大阪から美山へは、阪急電車の桂駅から京阪電鉄が運営する「美山ネイチャー号」バスで移動です。これは楽チンで、バスに乗ってしまえば1時間20分ほどで美山町です。

私達は「かやぶきの里」で下車。

目の前には、蕎麦の花畑が広がる。
そして、その中に点在する集落が、かやぶきの家なのです。
なんとも、日本昔話の世界。
もちろん、それぞれが普通の民家で、普通に暮らしてる。

集落の中に入って、ブラブラお散歩。
お寺と神社もあったり。

何やら、美山のお米で作ったパンの店を発見!!

お昼前でしたが、3種類ほど買って、、、うお、めちゃウマ!!
ちょっとモチモチ感があって、香ばしい。
もっと買っとけば良かった(笑)

そして、どうも有名らしいレトロな郵便ポスト。
ちょうど郵便局の方が回収に来られていたので、激写!!(爆)

お昼御飯は、このかやぶきの里にある、お食事処きたむら、でお蕎麦。
目の前の蕎麦畑で収穫してるのかな。

御出汁あっさり系、ツルツル食べる。
天ぷらの盛り合わせも注文したのですが、なぜか、この中に鳥の唐揚げが。
あぁ、そういえば、鶏小屋が近くにあったな。

おお、めちゃプルンプルンしてて凄く美味しい。
ここでお蕎麦を食べるのは定番のようですけど、天ぷら盛り合わせの唐揚げも、なかなか良いかもしれませんよ。

レジでお金を払っている時に、妻が地図を出して、店員さんに「道の駅の方へ歩いて行きたいんですけど、こっちの方向ですよね?」と訪ねたら。。。

「ぎょ!」とした顔をされて。。。

「え、、、歩かれるんですか?」と。
驚かれている様子。

まあ、山一つ越えなくちゃいけない距離ですし。。。

(笑)

美山町内で移動手段が限られている事は、既に書きましたが、私達は初日の宿である、民宿みやまへ歩いて行くつもりでした。約10キロほどだろうと、ならば歩いて4,5時間あれば確実に着くだろうと。

過去、熊野古道で丸一日20キロを歩いた経験もありますし、こういう旅行すると一日3,4時間の徒歩での移動って、私達は普通にやってるんです(笑)

乗って来たバスを後戻りする感じで大丈夫という話を聞いて、うん、地図に間違いない事を確認。
さて、いよいよ歩き出すか、、、という前に「カフェ&ギャラリー彩花」に寄って、ソフトクリームをゲット、、、なかなか濃厚で美山牛乳たっぷり、おいし〜

さあ、出発。

雲行きが少し怪しい。
なんとか降らないでくれっ!!

由良川沿いにしばらく歩くと、自家製ハム工場の店がありました。
美味しそう〜、って、ちょっと寄り道。
うーむむむ、、、買いたいですけど、ちょっと持って帰れないし、、、冷蔵できないもんね。。。

かやぶきの里を離れて、民家もない由良川と山間を縫うような道をひたすら歩く。

次の集落へ入って行く。
「あ、バス停がある!!」

いつも長距離を歩く時、バス停って凄く目印になるんです。
進むべき道を間違ってないか? 何れぐらい進んだか、目安になるんです。

そうやって、3つ目の集落を過ぎた辺りでしょうか、雨がポツポツと。
降ってきた〜

とりあえず、ザックに専用雨具を被せて、傘をさす。
カッパも持って来ているのですが、100円ショップなレベルのものですし、明日に行く予定のトレッキング時に雨が降ったら、、、と思って持参したものなので、今はカッパを使いたくないのです。

だが、しかし。。。

雨あしは、どんどん強くなる。。。
雷も鳴り響いて来た。。。

うあああっ!!
もう、滝のような大雨。

傘なんて、ほとんど役に立たない。

そんな時、「道の駅まで800m」という道路標識がっ!!
でも、この雨じゃ、、、その800mが厳しい。。。

あっ!!

目の前に現れたのは、、、バス停だ!!
屋根がある!!

避難、避難!!

ふ〜

もう、スボンもびしょ濡れ。
道は川のように雨水が流れている。

とりあえず体勢立て直し(笑)
20分ほどでしょうか、空が明るくなって来て、雨も小降りに。
今のうちに移動だ!!

そして,間もなく道の駅「美山ふれあい広場」に到着。

お土産屋さんや地元で穫れた野菜の数々、ソフトクリームにジェラート。。。
、、、と、そんな事をしている時間はありません。

早速、観光協会に行って、ちょっと情報収集。

歩き始めた時間も若干遅かったのと、雨で雨宿り、そして歩くスピードも落ちて、予定より時間をくってしまった。
できれば、ここからバスが有れば「民宿みやま」近くまで行きたい。無いなら、タクシーか?

観光協会にいたお姉さんに聞くも、やはりバスは無いみたい。
更に、タクシーにすると、ここまで来る配送代も合わせて、かなりの高額になってくるので、あまりお薦め出来ない、と。

更に衝撃的な事実を知らされる。

なんと、、、この雨で、野外で薪の灯りだけで催される予定だった「薪能」が、美山かやぶき美術館内のホールに変更になった、と。

ええええええっ?!?!

そんなぁ。。。

山深い、月明かりと薪の灯りの中、幻想的な「薪能」を観たくて、美山にやって来たのに。。。

天候とはいえ、、、残念無念。

けっこう、落ち込み(笑)

「もしかして、電話でお問い合わせされた方ですか」って。
おおお、色々と宿の事とか親切に相談にのって下さった方は、まさしくもこのお姉さんだったのか!!
かやぶきの里からザック背負って歩いて来た事に驚きつつ、申し訳無さそうな様子(^^;;

結局、最初の予定どうり、引き続き歩いて行く事に。
再度、道の確認をする。

当初の予定では、この先を峠越えの予定だったのですが、そのルートを歩いて行くのはお薦め出来ないと言われる。

峠に入る前に、迂回路の道を歩いた方が良いと。

詳しく道を教えてもらい、いざ、出発。

3,40分ほど歩くと、峠との分岐点に来た。
ここだな、と。

迂回路の方へ。

迂回路といっても、山の中へすい込まれて行く。
通る車も疎ら、もちろん歩いている人は、私達二人だけ。

民家も無く、しとしと雨がまた降って来た。

二人で歩いていても、本当にこの道で合っているのだろうか、どれぐらいの距離を進んだのだろうか、凄く心細くなってくる。

歩いてると、こんな山深い中、スイーツらしき店がある、「烹菓」というお店みたい。
この店以外、これといった建物も無い。
こんな場所に、買いに来る人がいるのだろうか。

でも、寄って、、、という気力が無い。

歩く歩く。

だが、しかし。
再び、大雨。。。

幸い、目の前に、またお店らしき建物が。
静家」という、京湯葉のお店みたい。

うひゃー、とりあえず店先で申し訳ないけど、、、雨宿り。

この時点で、時刻は16時になろうかとしている。
3時間ぐらい歩いて来たのか、、、しかし、このペースでは「薪能」に間に合いそうもない、というか日が暮れると歩くのには危険だ。

「何か合ったら、直ぐに電話して下さい」、、、と観光協会のお姉さんが言ってた事を思い出して、とりあえず電話する事に。
もう、お金が幾ら掛かってもいいから、タクシーを呼んでもらおう、と。
幸い、「静家」という店の前なので、場所の説明もなんとかなるか、と思って。

電話で事情を説明すると、機転を利かせた答えが返って来た。

「静家さんまで歩いて来てるなら、駄目もとで、民宿みやまさんに連絡してみて、向かえに来てもらえるか、尋ねてみたらどうでしょう」と。

おおお、その手があったか!!
それで駄目なら、タクシーって事で。

早速、民宿みやまに電話。
すると、向かえに来てくれる事に!!

助かった〜、ホント。

10分ほどで、車が到着。
意外に早かった。

おかみさんが向かえに来てくれた。

「何処から歩いて来られたんですか」。。。って聞かれたので。。。
かやぶきの里からです、って言ったら。。。

また、「ぎょ」って顔されて(爆)

そんな無謀だったのでしょうか(笑)

車で走ると10分ちょっとの距離ですが、信号も無いので、けっこうスピード出している。
これ、残りの距離を歩くとなると、、、2時間は掛かるだろうな、、、あのまま歩いていた到着は、確実に18時を回っていたかもしれない。

民宿に帰る前に、美山かやぶき美術館の方を通って、道を教えてもらいつつ、、、「薪能」はメインの前に、子供達による「能」の発表会もあるそうで、去年は息子さんも出演したそうです。今回は、なんか出演はしないみたいで、だけど気になるらしく観に行くと言ってるので、行く時には車で送っていきますよ、と。

そんなこんなで、やっと初日のゴール地点、「民宿みやま」に到着。
民宿というには、とても大きい感じ。
なんだか、廃校になった木造校舎のミニチュア版みたいな、そんな雰囲気。

部屋に入り、一息。
ふぅー
あ〜ぁ、、、ズボンも靴下もびしょ濡れ、、、

おかみさんが、コーヒーを入れて下さった。
ありがたい。

「この天気で、能がホールになって、残念ですよね」って、おかみさんが。

こちらも、外でやる「薪能」を期待していたし、その野外で注文していたお弁当を食べるのも、楽しみにしていた。
これなら、普通に民宿で温かい晩ご飯を食べた方が良かった〜、、、と。。。

そんな話をしていて、まあ、駄目だろうと思い、、、とりあえず聞いてみた。

「もう、晩御飯って、無理ですよね」、って。

そしたら、予想もしなかった答えが。

「そのお弁当、うちで作ってるんですよ。もし良かったら、お弁当を食べずに持って帰ってこられて、こちらで食べますか。晩御飯はお鍋が付くんですけど、お鍋だけでもお付けできますから」と。

おおおー、お鍋。
温かいの、食べれる〜

さて、時間になり、おかみさんと息子さん(小学5年生だったかな)と、美山かやぶき美術館へ出発。

地元の人が歩く、ショートカットの道があるそうなのですが、、、いあ、夜は絶対に歩けないわ(笑)、と。

ほどなく、美山かやぶき美術館に到着。
えっと、、、民宿までの道、簡単に教えてもらっていたけど、、、実際に歩いたわけじゃないし、夜になって戻れるのかというと、かなり自信が無い(笑),、、街灯なんて無いから、きっと夜は真っ暗だろう、と。
そんなわけで、帰りも向かえに来てもらう事になった(^^;;

入口で弁当を受け取り、、、色々と出店もありました。
ホールの中に入ると、ちょっと変わった造り。

能とか相撲とか、そういうのがメインのようなホールみたいで、とても綺麗です。

子供達による、「能」の発表会が始まる。
可愛いね、圧倒的に女の子が多い。

なんかね、一人、小学三年生の女の子だったかな。
前髪がうっとおしいのか、演技中、顔をブンブン動かしてて、それがなんとも可笑しくて(爆)

さあ、子供達の能が終了。

「能」と「能」の間に入るのが、「狂言」です。

狂言って、コントのルーツですよね。
滑稽な話を、面白可笑しく演ずる。

ここからプロのが演ずる舞台。

狂言のお題は、「附子 (ぶす)」。
有名な話ですよね。

そして、休憩をはさんで、いよいよ能、「葛城」が始まる。

圧巻は神様に変身してからの舞。

朗々と歌い上げ、小鼓大鼓そして横笛が鳴り響く中、舞台をゆっくりと舞う。

とてもとても綺麗。
そして壮大。

マイクとかPAされていない舞台、全て生音だけがダイレクトに伝わって来る。
圧巻でした。

見終わって、もう妻と。。。
「外で、薪でホント、観たかった」と。。。

薪の灯りだと、風に揺られて、きっと陰影もゆらゆら動いて、凄く幻想的だったはず。

かえすがえす、この天候め。。。

外に出ると、、、うひゃ、本当に真っ暗。
向かえに来てもらって良かった。

宿に戻って、食堂でお弁当とお鍋を頂く。
お鍋でホッコリ。

お風呂に入って、あとは寝るだけ。

飲み物欲しいなと思って、ちょうど民宿前に自動販売機あるので、外に出たら、涼しい〜
雲はあるものの、星も少し観えてる。
明日は天候、大丈夫かな。

自動販売機で飲み物買った時、視界に何か入ったので、「んんん?」と思って、よくよく観たら。。。

自動販売機にカエルがへばりついている。
それも、一匹じゃない。5,6匹いる。

なんか体のサイズが微妙に違って、親カエル子カエルみたいな感じで。
なんだか面白い。

虫が自動販売機の明かりに寄ってくるのはわかるけど、カエルも寄ってくるの?

布団に入ると、とても静かだ。
虫の声だけが聞こえる。

長い長い初日が、こうして終わりました(笑)

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P.S.
「京都・美山旅日記」の写真(80枚ほど)は、Flickrに全てアップしています。

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