iPhoneの中身

日本国内では当分の間は“お預け”状態になってしまう、Appleの「iPhone」ですが、基調講演を中心にして色々と情報が見えて来ていますよね。
まずは御存知、Apple CEO スティーブ・ジョブズ氏の基調講演動画(最新のQuickTimeが必要です)を見ると、たぶん試作品だろうけどスマートにスルスルと操作をしている感じが見てとれますね。
相変わらずですが、プレゼンが上手いですよねぇ。
まー、幾らiPod とケータイを融合したからとはいえ、確かに現状のiPodに電話のダイヤルを付けたのでは駄目でしょう(笑)
Palmのようにスタイラス(タッチペン)を採用するのではなく、直接、指で操作する全面タッチスクリーンにする事で、より直感的な操作を実現している感じですね。あと、メインである電話機能で会話をしながら、メールを書いたりWebブラウズしたりと、完全マルチタスクを実現している模様。これは凄く便利ですよね。
そして、関係者への日本向けインタビュー記事です。
ふむふむ、iPhoneはパソコンのApple MacシリーズのOSである、「Mac OS X」が稼動しているという事は、基調講演でジョブズ氏が発言していましたが、、、どうやら、パソコン版とほぼ同様のシステムで稼動しているんですね。しかし、発想はiPod同様のようで完全なクローズドなシステムの模様。
そうか〜、フリーウェアとか色々とインストールして楽しむ、、、という事は今のところ無理っぽいみたいですね。でも、Mac OS Xが裏で動いているという事は、今後、ハッカー達の面白い材料とはなると思うので、どうなるかですね、、、このあたりを懸念してのクローズドなシステムなのでしょうけど。
パソコン版Mac OS Xに感染するウィルスは、iPhoneでも簡単に感染する危険性があるのでしょうから。


日本市場向けの発言は、えらく慎重ですね。
独自の音楽配信サービスをしていなくて3Gの、ソフトバンクモバイルが有力視されていますが、さて、どうなりますやら。逆にiTunes Music Storeを意識したLISMOを展開するauは、可能性が低いかな?
インターフェイスや使う目的が違うとはいえ、Mac OS Xが稼動するタッチスクリーン版Macともいえる中身なので、今後、Apple自身がシステムのアップデート時に色々な仕様を追加していく事は、凄く簡単な事なのでしょう。Mac OS X向けソフトをiPhone用のユーザーインターフェイス仕様に作り替えれば、大半が動くのでしょうから。
で、面白いなぁ、と思うのが、iPodの時もそうですが全てソフトウェア化しておいて、沢山の機能を追加したり仕様変更を容易にしていて、多機能化を最初から可能にしているのに、あえて「これしか出来ません。でも、とても簡単でスマートでしょう」という売り方をするよね。
iPodも最初はモノクロで音楽再生で、カラーになって画像を扱えて、で、動画も再生できてゲームも、、、と。
最初の割り切り方が凄いというか。
日本人が作る製品なら、このスマートさと多機能化を両立しようと頑張ると思うんだけど。
多機能化は、普及してニーズが高まった頃に、、、という発想なのでしょうね。
iPhoneも同じように、1,2年後は面白い展開になってるのでしょうね。
しかしなぁ、携帯電話機能を除いた感じでも売れそうな感じだよね(^^;;
Appleは昔、「Newton」という電子システム手帳を開発していたんですよね。ハードウェアと専用のOS、専用ソフトウェアも開発していて、広くサードパーティーも参加していて。今でいう、PDAというツールの先駆け的存在でした。
日本ではSHARPの「Zaurus」が有名ですが、、、これは有名な話ですが、元々はAppleのNewton日本語版をSHARPがGalileoという名前で発売する予定で開発していたんですよね。
しかし、その当時は「システム手帳の電子版?なんですかそれ?」という時代でしたから、マニアックなツールで普及しなかった。で、結局、AppleはNewtonプロジェクトを終了してしまい、SHARPでもNewtonを諦めて独自開発に方向転換して、今のZaurusになった経緯があるんですよね。
こういうPDAツールで大ヒットしたのが、Palmシリーズ。私もSONY版Palmの「CLIE」を使ってます。
こういう電子システム手帳機能(アドレスとか予定表とかメモとか)と、インターネット機能+書類編集観覧機能、そして携帯電話機能を融合したのが、俗に言う“スマートフォン”と呼ばれる携帯電話。
海外ではスマートフォンのシェアが伸びているようですが、日本ではほとんどスマートフォン自体が存在しませんね。
Docomoの「M1000」とWillcomの「W-ZERO」ぐらいですか。W-ZEROってSHARPが開発しているんですよねー、Zaurusの技術がそのまま活かされているのでしょうね。
「iPhone」が普通の生活の中でも、魅力的な製品に見えてくるのであれば、時代がやっと追いついて来た感じというか、、、Newtonの登場は凄く時代を先取りしていたなぁ、、、と改めて思います。

コメント

  1. コウスケ より:

    >日本人が作る製品なら、このスマートさと多機能化を両立しようと頑張ると思うんだけど。
    いやいや、日本企業もばかばかりではないですよ。
    ゲームボーイがまさにこの順番で開発・発売されてきましたよ。
    1 白黒のみ。
    2 白黒のみだが、小さい。
    3 やっとカラー。

  2. うにょ303 より:

    こんにちは。
    >日本人が作る製品なら、このスマートさと多機能化を両立しようと頑張ると思うんだけど。
    ああ、そういう意味で書いたつもりはありませんでした。
    スマートさと多機能の両立は、日本のお家芸というか得意分野だと思ってます。自動車産業なんかは特にそう思う。
    任天堂も、色々とあった上での選択として、ゲームボーイがあって今のDSに繋がる成功をおさめているのは、面白いなと思います。
    その反面、スマートさと多機能化のバランスが微妙に取れていないのが、今のSONY全般の製品でしょうかねぇ。。。
    以前のSONYなら、そういう魅力が沢山あったのにな、と思う次第です。

  3. コウスケ より:

    >ああ、そういう意味で書いたつもりはありませんでした。
    こちらが誤解したようですね、ごめんなさい。
    >スマートさと多機能の両立は、日本のお家芸というか得意分野だと思ってます。
    ただ、また別の意見ですが、
    「スマートさと多機能の両立」をねらっていたのはたしかです。ただし、本当の意味で、実現できたメーカーは、ほとんどないのではないですか?
    一応、J5という古い古いベータ機種からのソニーファンだった者です。
    たとえば、デザインひとつとっても、とうていスマートな機械をつくりだせたとはいえません。(バイオはマーケッティングがうまくいって売れた機種で、デザインは下手です)

  4. うにょ303 より:

    そうですねぇ。
    確かに実現出来たものは、とても少ないように思えます。
    何時からか、多機能は「目に見える機能」重視になってしまって、出来る事は単純なんだけど、その背景にあるシステムやインターフェイスとかフローチャートとか、そういう目に見えない部分での多機能さというかアイディアは、一般消費者からは評価されなくなってしまったような気がします。
    これに限った話ではないですよね、、、普段の仕事をしていても、、、具体的に見えない部分のパフォーマンスの評価は、年々下がる感じがします(^^;;
    多機能といっても、色々な事が“多く”出来る機能でなくても良いわけですよね。
    目に見える機能が一つ二つだけでも、その背景に楽しいアイディアが沢山とあるのなら、それも多機能な製品だと思ったり

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